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議会報告

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平成25年県議会報告 議会録

おはようございます。菊池伸英です。早速、質問に入ります。
道州制についてお伺いいたします。
これまで、道州制の導入など地方自治のあり方をめぐり、各所でさまざまな議論が活発に行われてきたことは、皆様御案内のとおりです。
本県においても公式な見解や意見をあらわしたものではありませんが、平成17年に愛媛県県のあり方研究会が、さらに、平成19年には四国4県道州制研究会が道州制に関する報告書を取りまとめています。本来、地方自治のあり方については、その時々の政権に翻弄されることなく、地方みずからが地域の特性を精査し、取り組むべきことでありますが、昨年末の自民党の政権復帰により、国の権限や事務を外交・防衛などに限定し、財源や権限を大幅に地方に移譲、地域主体で政策立案や行政の効率化を推進させることを目的にした道州制基本法が今国会にてようやく提出される見込みとなりました。
我が県としても、他の地方におくれをとらないよう、基礎自治体の声を取りまとめ、積極的に取り組んでいく必要があると痛感いたしております。
自民党道州制基本法案の骨子、前文においては、基礎自治体を地方自治の主体として、住民に身近なことは全てみずから決定できる自己完結型の地方公共団体にしていく必要があると記述しております。
さらに、内閣府に道州制国民会議を設置し、道州の区割りなどの検討、現在の都道府県や市町村の意見を聞くことになっており、8県15政令市の首長で構成する道州制推進知事・指定都市市長連合は、基本法に盛り込まれる見込みの道州制の制度設計を担う諮問機関の構成員に地方の代表を多く配置するよう政府に対し要請しております。
9月議会で私が質問した地方への権限・財源についての答弁にもありましたように、分権型社会への移行は喫緊かつ重要だとの認識は一致するところであります。
冒頭で述べた四国4県道州制研究会の最終報告書の中には、国と地方の権限・財源を大胆に再構築する、国と地方が対等な立場で協議する場を設け、議論を深める必要があると記述されており、道州制による行政の広域化に向けて四国4県のさらなる連携強化は重要であると考えます。
そこでまず、お伺いいたします。
衆院選の自民党公約においては、道州制基本法の早期成立を図り、制定後5年以内の道州制導入を目指すとされているところですが、この道州制基本法への御所見をお聞かせください。
また、真の分権型社会の実現に向けては、地方は自主・自立の覚悟を持ち、二重行政の解消や公共資産の広域共有化、合理的な自治体運営、加えて国と地方の関係についての基礎自治体との議論など、さらなる行政改革や市町との連携強化が重要と考えますが、具体的にどのような取り組みを今まで行ってきたのか、お聞かせいただきたいと思います。
次は、プロモーション事業の費用対効果についてであります。
安倍首相の掲げるアベノミクスによって、我が国の経済にも明るい兆しが見えてきました。本県の来年度当初予算も、災害に強い地域づくりのため、防災・減災関連予算が大幅にふえ、国民の生命と財産を守る政府の姿勢が反映された予算になっていることは心強く思っております。さらには、県の重点戦略事業として、国内外に向けた県産品のセールスや瀬戸内しま博覧会への準備イベントなど、36事業で5億円を超える県内産業活性化のための各種事業が計上されており、その成果に期待いたしております。
しかしながら、これらの観光イベントや展示会・物産展などといった各種プロモーション事業の費用対効果がどれくらいのものであるのかは推測しにくい状態です。施設などを民間に運営委託することは、効率的であることが実証されていますが、プロモーションのような一時的かつ短期的な事業の運営委託に関しては、さらなる考慮の必要があるのではないかとも思えます。
これまで行ってきたイベントやプロモーションの過去実績からそのノウハウや効果を検証し、PRによる県の資産価値を高める努力とともに、コストを抑えることも大切なことであると考えます。
通常、企業では、売り上げを把握しながら広告費用対効果を算定し、効率的なプロモーションを行っております。県では、行政評価システムを導入し、事務事業の見直しを行っておりますが、県が行うプロモーションにおいても地方交付税が抑えられ、限られた財源の中で費用対効果の高い手法を選択しながら、結果を重視したプロモーション活動を行っていただきたいと思います。
そこで、お伺いいたします。
各種プロモーション事業について、行政評価システムでは、過去の実績や効果をどのように検証し、見直しを図っているのかお聞かせください。
続いて、中小企業金融円滑化法の期限切れに伴う中小企業対策についてであります。
9月議会において、創業・異業種進出支援についての答弁で、企業に対する統計分析データや適宜適切な情報提供をお約束していただきました。今後、県内の事業所にとって役立つものであると期待をしております。
今年度末で期限が切れる中小企業金融円滑化法への対応は、金融機関が変わらず支援を続けるということで一段落しているようですが、新聞報道では、本県において経営改善が計画どおり目標に達している事業所は1割から4割と非常に厳しい状況です。貸し付けや補助を行うことだけでは抜本的な解決に結びつかないことから、四国財務局も金融機関に対し、コンサルティング機能を一層発揮してほしいと要請しており、経営に関する知識やノウハウの支援なども必要な時期に来ているのではないかと考えます。
また、池田信夫氏の文献によりますと、北欧は一般的に高福祉・高負担のイメージがあるが、少子高齢化や長引く不況から脱却したスウェーデンにおいては、社会保障費や企業支援関係経費を含む政府支出のGDP比は90年代の68%から現在は50%以下にまで下がり、債務は欧米よりはるかに小さくなっている、その主な改善策は、政府を小さくして分権型の社会を構築し、淘汰されるべき企業は市場に任せ、企業の新陳代謝と労働人口の移動を促したことと、事業主や労働者などの個人的なセーフティーネットを手厚くしたことによるものであるとなっています。これは、国においても、地方自治体においても大変参考になる事例であると捉えています。
前回の質問において指摘したとおり、貸し付けや補助金、返済猶予などのモラトリアム型の金融支援は一時的な延命措置にはなりますが、抜本的な経営改善には至りません。貸し付けや補助金などの支援を行っている企業に対しては、経営セミナーへの参加義務づけや、経営改善の数値目標を明確化するなど、一歩踏み込んだ支援策が必要であると考えます。
金融円滑化法の終了を控え、企業からは、それぞれの業界に関する知識や理解を持った支援が欲しいという声が多く、金融機関のコンサルティング支援には、支援数と対応能力の両面で課題が指摘されている中、近畿地方の中小企業再生支援協議会では、再生計画の取りまとめ件数の急増に対応するため、協議会の人員増強に取り組んでいるとも聞いております。
そこで、お伺いいたします。
金融円滑化法の期限切れに当たり、金融機関の貸付金が回収不能に陥るリスクなども懸念される中、経営改善計画策定のフォローやコンサルティング業務などの支援体制の整備について、県としてどのように取り組むのかお聞かせください。
次は、電線類の地中化についてであります。
先月、国交省が防災の観点から、道路法等の改正の検討に入ったそうです。地震によって倒壊した電柱が避難や救助の妨げになるのを回避するため、電力会社等に無利子融資を行う見通しであると報道されておりました。同時に、地方の老朽化したトンネルや橋などのうち、維持管理が困難な部分においても国が修繕を代行するとのことです。
現在、我が県では、国道や主要道路、観光地において電線の地中化が進んでいますが、他国主要都市と比較すると非常におくれをとっております。欧州において電柱と電線が見られるのは農村部だけに限られているのと比べ、我が国では主要都市においても地中化の現状はわずか15%ということです。さらに、国は国で、地域は地域でと足並みがそろっていないばかりか、情報も余り共有されておらず、二重行政の弊害を指摘しておきたいと思います。
また、本県においての地震被害想定は、阪神・淡路大震災のような建物の倒壊や火災に重点が置かれており、人口が密集している地域における電線類の地中化は急務であると考えます。平成7年には、県議会においても、生活環境整備における質疑において、地域の美観促進のためにも関係機関とも十分に協議しながら積極的に取り組むとの答弁がありました。この問題は、防災の観点からも、地域資産の付加価値向上のためにも早急に取り組むべき課題であり、ぜひこの機に電力会社等と連携して電線類地中化の促進に積極的に取り組むことを望みます。
そこで、お伺いいたします。
本県における電線類の地中化の現状はどうか、また、電力会社等との連携も含め、今後、どのような方針で地中化を進めていくのか、お聞かせください。
次は、改正消防法によるガソリンスタンド2013年問題についてであります。
本議会においても、昨年より改正消防法によるガソリンスタンド問題の質疑があったことは承知いたしておりますが、本来、地域行政に求められていることは、法規法令に準じ、地域における影響を予想し、対処・対応していくことです。2011年2月に施行された消防法改正により、40年以上前に埋設した燃料用地下タンクは、油漏れを防ぐために内面を繊維強化プラスチック(FRP)で加工するか、地下に電極を埋め込み、電流を流すことで腐食を防止する対策が義務づけられました。本年2月にその猶予期間が期限切れとなり、古いタンクがあるガソリンスタンドにおいては廃業を余儀なくされたところも多々あったのではないかと推測できます。この問題は本年だけではなく、今後も各ガソリンスタンドのタンクが40年を迎えれば生じる問題であると認識しております。
電気自動車の普及などでガソリンスタンドが少なくなることは、ある意味、時代の流れとして許容できますが、法令によって市民生活が危機に陥り、極度な不便が生じることはあってはならないことです。これは、国の法改正による問題なのですから、本来は国が推進する道の駅整備事業にこの対策を盛り込むなど、国に対し強く要望をすべきだと考えます。経営が困難な地域でガソリンスタンドを無理矢理維持することはできませんが、最低限、需要に見合った合理的な手段でのライフライン維持の支援策は、地方自治体として必要不可欠であると考えます。
そこで、お伺いいたします。
県内のガソリンスタンド廃業数の動向はどうか、また、猶予期間が切れた今、ガソリンスタンド過疎に対してどのような対応を行っているのかお聞かせください。
最後に、松山空港国際線の利用促進についてであります。
松山空港は開設以来、長年愛媛県の空の玄関口として活躍してまいりました。本県は、高松、徳島、広島と違い、首都圏・関西圏への往来に飛行機の利便性がとても高い地域であります。国交省による松山空港民営化の検討がなされる中、昨年4月には県と松山市、空港ビルの実務者レベルの検討会が発足したと聞いております。
しかしながら、人口減少社会において国内需要の伸びは余り期待が持てそうになく、合理的に空港を維持管理していくのは厳しい状況だと思われますが、松山空港の民間委託によって運営主体が着陸料を設定できるようになれば、近県の空港より柔軟な運営ができ、松山空港の可能性がさらに広がるものと期待を寄せております。
このような状況の中、中国との関係強化を狙って週4便に増便した上海便の搭乗率も、残念ながら反日デモや尖閣問題を機に3割を下回り、厳しい状況になっているため、県内の企業や団体で構成された松山空港利用促進協議会では、加入企業等の上海便利用に対する1人当たり5,000円の助成や、会員旅行会社のツアー造成に対する1人当たり6,500円の助成をして利用促進を図っていると聞いております。
そこで、お伺いいたします。
国際線の利用促進に向けては、インバウンド、アウトバウンド、両面からの対策強化が求められますが、特に上海便については、現在のような厳しい状況の中にあっては、航空会社による便数減少なども懸念されるのではないでしょうか。関係悪化が懸念される中国、韓国との路線維持に向けて、今後、どのように取り組んでいくのか、目標とする搭乗率も含め、お聞かせください。
また、県は東アジアをターゲットとした各種施策を推進されており、松山空港のさらなる発展と愛媛県と海外との直接交流がますます盛んになることを願っております。将来の定期便の運航に向けて、年内には台湾・松山(ショウザン)空港からのチャーター便運航を目指していると聞いており、漢字で書くと同じ名前の松山-松山間の就航は話題性があり、意義深いと思っております。
ただ広島空港では、既に、台湾・桃園への定期便が毎日運航されており、高松空港も今月から同空港への定期便が就航する予定であり、高松空港はこれにより中国、韓国、台湾のハブ機能を持った国際空港に週2便から3便の定期便を就航させることになることから、その影響も懸念されるところです。
そこで、お伺いいたします。
国際線の利用促進の観点からも、瀬戸内しま博覧会における国際サイクリング大会の開催に向けた台湾との自転車を活用した交流・連携に期待が高まるところですが、このサイクリング大会が海外からの誘客においてどのような効果をもたらすと期待しているのかお考えをお聞かせください。
以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

○(中村時広知事) 菊池議員の道州制基本法に対する御質問にお答えをさせていただきます。
道州制基本法につきましては、自民党が骨子案を示し、党主導で法案提出に向けた協議が始められたばかりで、道州制の是非について判断できる段階ではないと思っています。
骨子案については、そこでうたわれている理念そのものには共感できるところもありますが、一方で、肝心の実行段階になると、三位一体改革のように国の財政再建の論理が優先され、分権とはほど遠い姿になるのではないかと危惧しています。
重要なことは、中央集権体制を抜本的に見直し、分権型社会に転換するという断固たる決意と実行力であって、住民に最も身近な存在である基礎自治体重視の視点から、まずは国と地方の役割分担を明確化し、次に、基礎自治体を強化し、その上で広域自治体のあり方を議論することが地方分権のあるべき道筋ではないかと考えています。
こうした考え方に立って、あるべき道筋に沿って、一つ一つ丁寧に議論が積み重ねられ、真の分権社会の実現につながるよう、地方が議論をリードしていく必要があると考えており、県としても市町等とも連携し、現場の視点に立った提言を今後とも積極的に行ってまいりたいと思います。
その他の問題につきましては、関係理事者の方からお答えさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

○(長谷川淳二副知事) 道州制についてのうち、(2)分権型社会の実現に向けた取り組みについてのお尋ねでございます。
真の分権型社会の実現には、中央集権体制を抜本的に見直し、権限と財源を地方に移譲することと同時に、地方は自主・自立の覚悟を持って、創意工夫のある行政運営と足腰の強い組織体制づくりを進めることが必要と考えております。
このため、県では、まず国・地方協議の場、分科会において、知事が全国知事会代表で参画いたしましたことを初め、分権改革の突破口となることを目指した四国広域連合(仮称)への取り組みや、本県独自の市町への権限移譲、さらには、現場起点のえひめ発の分権改革提言やえひめ発の社会保障制度改革提言を行うなど、四国各県あるいは県内市町とも連携いたしまして、地方分権の推進に率先して取り組んでいるところであります。
同時に、行革に終わりなしとの方針のもと、不断の行政改革に取り組み、課長級昇任試験の導入など政策立案型行政への転換を進めますとともに、市町と連携して税の徴収や道路の維持管理などの効率的、効果的な実施に注力いたしますほか、行革甲子園の開催により、創意工夫による行革のノウハウを共有するなど、チーム愛媛として二重行政の解消はもとより、新たな施策の創出による総合力の発揮を目指しているところであります。
今後とも、分権時代の主役となる基礎自治体とともに行財政基盤の強化を図り、真の分権型社会の実現に向けた取り組みを積極的に進めてまいりたいと考えております。
次に、プロモーション事業の実績や効果の検証、見直しについてのお尋ねでございます。
本県では、県が実施する各事務事業につきまして、予算編成段階においてスクラップ・アンド・ビルドの徹底に努めますとともに、その効果が一過性のものにとどまることのないよう、事業の実施後に行政評価システムにより実績や効果を検証して見直しを行っており、毎年度、約1,500の事務事業を対象に、その全てに数値目標を掲げ、必要性、有効性、効率性の観点から評価を実施しているところであります。
菊池議員お話のプロモーション事業につきましても、その成果を検証する指標といたしまして、例えば来県観光客数やその消費額、新聞への掲載等による広告換算費用などの具体的な目標を設定いたしまして、その達成状況や成果の動向を客観的に評価をした上で、コスト改善策などを予算に反映するといった、いわゆるPDCAサイクルによる見直しを行っているところであります。
さらに、評価の客観性や透明性を高めるために、有識者による外部評価委員会から各種の提言をいただき、成果指標の設定に改善を加えますとともに、費用対効果などを踏まえた事務事業の見直しを行い、経費の削減と成果の向上を図っております。
今後とも、予算編成、事業化、事業実施後の評価の各段階で精査をいたしまして、限られた財源の中で最大の効果が得られる事業展開に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。

○(横田潔企画振興部長) 松山空港国際線の路線維持について御質問がございました。
上海線・ソウル線は、現在、搭乗率が低迷しており、とりわけ上海線については日中間の観光需要が減退するなど、大変厳しい状況にありますが、そのような中で、来る3月31日からの夏ダイヤでも、現在の週4便運航が継続される見込みであります。
このため、県におきましては、増便とナイトステイによって利便性が向上した上海線のメリットを改めて広く周知するとともに、モデルツアーに対する助成や駐車場割引などの緊急対策に加え、新たに商談会などのビジネス利用に対して助成を行うほか、ソウル線についても引き続きダイヤ改善を航空会社へ要請するなど、アウトバウンドの増加を目指していきたいと考えております。
また、現在の円安傾向を背景として、インバウンドでも中国や韓国の旅行会社に本県への旅行商品の造成を働きかけるなど、今後とも粘り強く路線維持に取り組んでいきたいと考えております。
なお、搭乗率については、航空会社から明確な目標数値は示されていませんが、現在の厳しい国際情勢の中でこそ、経済・文化両面で多様な交流を着実に積み重ねながら、地道に需要の喚起に取り組み、可能な限り従前の水準に近づけるよう努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。

○(東倉勝利経済労働部長) まず、金融円滑化法の期限切れによる支援体制について御質問がございました。
中小企業金融円滑化法の期限切れに当たりましては、返済猶予などのモラトリアム型の金融支援にとどまらず、真の意味での中小企業の経営改善につながる取り組みが必要でありますことから、金融機関や中小企業再生支援協議会では、経営改善計画の策定支援などコンサルティング機能の拡充強化に取り組みますとともに、金融機関や経済団体のほかに、税理士や弁護士などの専門家を支援機関として国が認定することにより、多様な支援体制の整備を進めているところでございます。
こうした支援機関のサポートを受け、経営改善に取り組む中小企業を、県といたしましても、この1月から緊急経済対策特別支援資金の融資対象に追加をしましたほか、来年度当初予算では県単融資制度の拡充等を図ることとしておりまして、昨年9月に立ち上げた中小企業支援ネットワークのメンバーであります経済団体や金融機関など関係機関とも一層連携を密にしながら、県内中小企業の事業再生を引き続き支援してまいりたいと考えております。
次に、ガソリンスタンドの過疎問題について御質問がございました。
需要の低迷や経営者の高齢化などの問題を抱えるサービスステーション、いわゆるSSは、老朽タンクの改修問題が大きな引き金となって、全国的に廃業が加速し、本県におきましても平成8年度末の1,000カ所から23年度末には674カ所へと大きく減少をいたしております。
このような中、地下タンク改修の義務が課されたSS事業者に対し、国は23年度以降、改修費の補助を行っており、県としましてもSS事業者への低利融資等の経営支援に努めているところでございます。
そもそも、SS過疎問題の本質は、人口減少や車の燃費向上などにより、需要が将来にわたり減少し、経営が成り立っていかないことに起因するものと考えますが、地域にとっては、産業面や災害対応も含め、なくてはならない生活インフラであると認識をいたしております。
全国的には、三セクや地域住民によるSSの運営・継続事例も見られますことから、県としましては、こうした事例を参考にしながら、まずは地域で守り、支えることを基本に、市町はもとより地元経済団体等とも連携の上、地域ぐるみの創意工夫ある取り組みがなされますよう、各般の支援をしてまいりたいと考えております。
次に、国際サイクリング大会による海外からの誘客について御質問がございました。
県では、サイクリングを切り口とした国際観光に積極的に取り組んでおりまして、昨年5月に来県されたジャイアント社の劉会長を初めサイクリング関係者から、しまなみ海道への高い評価をいただきますとともに、その後、台湾から計3回のツアーが実現したところであります。
来年開催予定の国際サイクリング大会及び本年10月のプレ大会の開催に当たりましては、世界的ネットワークを持つジャイアント社の協力をいただきながら、広島県とも連携して、台湾を初めとする世界各地からの参加を得たいと考えておりまして、参加関係者を含む多くの来訪による宿泊や観光消費などの直接的効果はもとより、大会を契機として中国・韓国との国際線等を活用したツアー造成などによりまして、本県の魅力を世界に強くアピールすることで、外国人観光客の一層の誘致につながるものと期待をしているところでございます。
今後は、現在整備を進めております愛媛マルゴト自転車道とも連動させながら、台湾・松山空港とのチャーター便の実現で一気に愛媛の知名度を向上させ、世界各国からサイクリストが集うサイクリングパラダイスを目指したいと考えております。
以上でございます。

○(井上眞三土木部長) 電線類の地中化の現状と方針についてお尋ねがございました。
国や県・市では、道路管理者と電力会社等で組織する四国地区無電柱化協議会での合意に基づき、これまでに松山城周辺や道後地区、今治市役所周辺など、観光地や都市の顔となる幹線道路の約20㎞で電線類地中化を実施し、現在、松山市内の二番町通りなど3路線において整備を進めているところでございます。
しかし、電線類の地中化には多額の事業費を要し、共同事業者となる電力会社などの負担額が大きく、昨今、電力会社では経営状況も厳しいことが見受けられること、また、本県の市街地では歩道幅員が狭く、スペースも十分確保できない路線が多いことなどから、整備率が上がっていないのが現状でございます。
県としては、良好な都市景観の形成や快適な道路空間の確保に加え、切迫する南海トラフ地震に備えた防災・減災の観点からも、電線類地中化を促進する必要があると考えております。今後、電力会社等への無利子貸付制度の創設に係る道路法等の改正の動向を見ながら、関係機関とも連携し、効率的・効果的な整備に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。