平成29年県議会報告 議会録
■質問者 菊池伸英議員
質問に入ります。
第六次愛媛県長期計画「愛媛の未来づくりプラン」第2期アクションプログラム編には、活力ある産業づくり、農林水産業の振興、観光・交流の拡大や交通ネットワークの整備、支え合う福祉社会づくり、安全・安心な暮らしづくり、地域で取り組む子育て・子育ち支援、自然と共生する社会の実現など、政策が多岐にわたり記されています。
また、その中で、県民ニーズの把握については、県政モニター約250名を活用することとされています。平成24年度当初、県民ニーズ調査のためのモニターは259名でしたが、平成28年4月時点のモニター数は163名まで減少しています。そのうち回答があった人数がわずか91名で、その内訳は、一般72名、学生19名と、サンプル数としては少ないように思いますが、この数字について、県民ニーズを把握する上で十分とお考えでしょうか。であるならば、その根拠をお示しください。
次に、具体的な政策について、産業を担う人づくりについて伺います。
県民ニーズ調査から見て優先度が高い割に県民満足度の低い施策は何か。県政モニター91名の回答によりますと、若年者等の就職支援と産業人材力の強化という結果が見えてきます。景気が少し上向いたかと思うと、たちまちドライバー確保に苦労する運送会社や、人手不足から営業時間を短縮もしくは苛酷な労働を強いる飲食店などブラックバイトに関するニュースもよく耳にします。需要に対し、労働供給が追いついていないという現状は、経済成長にとって足かせともなりかねないゆゆしき状況で、大企業より中小企業、製造業より非製造業、とりわけ飲食業や運輸関係、建設業でより深刻化しています。
若年者の就職と産業人材力について、2年に1回実施されています愛媛県政に関する県民意識調査の若年者雇用対策の項目を調べ読み解いた結果、平成26年度よりも28年度に関心が増加しているものに、インターンの実施のプラス1.7ポイント、就業の定着のプラス2.8ポイントと、いずれも就職前のイメージと就職後のミスマッチという部分がフォーカスされていることがわかりました。
そこで、平成26年度から愛媛県で実施されています若年者地域雇用マッチング事業において、OFF-JTとOJTを組み合わせた研修の機会を設け、若年者と企業とのマッチングを図ることは、就職活動中の若年者にとっても受け入れる企業にとっても、非常によい取り組みかと思いますが、実習先企業の業種は製造業のみでありました。今後、加速する高齢化社会においては、物よりもサービスに対する需要が高まると思うのです。
若年者地域雇用マッチング事業では、何名の研修生が実習を受け、実際に何名が就職につながったのか。また、その実績を踏まえて、製造業に限らず、サービス業を含む各種分野で雇用創出、人材確保・育成に取り組む考えはないのか、御所見をお聞かせください。
関連して、地域外就職についてお尋ねします。
現在、愛媛県内の高校、大学を卒業する学生の就職内定率は高い数値で推移しています。愛媛未来づくりプランにおける若年者等の就職支援と産業人材力の強化を見ましても、県内高校新規卒業者の就職決定率は98.9%、県内大学新規卒業者の就職決定率も93.1%と高いのですが、県内の就職率に着目しますと、その割合は49.2%であり、大学を卒業して県内に就職する若者は半数しかおらず、残りの半数は愛媛県以外で就職しているのです。内閣府が提供しています就職者流出の推移を見ても、平成24年以降、流出は増加の一途をたどっています。
こうした状況の中、よい会社を求める学生とよい学生を求める企業をマッチングすること、それは安心して働ける企業で意欲と能力を備えた若者が働くことであり、それには地域の政策力と教育力が問われると思いますが、愛媛県で学んだ学生が愛媛県で就職し定住するための施策など、県が企業と若者のかけ橋となり、県内就職率向上に一役買うおつもりはないか、お尋ねをいたします。
愛媛県版まち・ひと・しごと創生総合戦略の概要に、目指すべき将来の方向性と具体的な施策という一覧表が掲載されています。総合戦略本文には、重要業績評価指標KPIが示され、現状値と目指すべき数値目標の双方が掲げられています。現状値と目標値がどれだけかけ離れているか、どれほど実績を積めば目標が達成できるかを調べてみましたが、こうした数値等を一覧表のような形で俯瞰して見られる状態で県民に公表すれば、これら取り組みがより一層県民に理解していただけるのではないでしょうか。
そこで、お尋ねいたします。
各重要業績評価指標を県民にわかりやすい一覧表などの形式で公表するおつもりはないか。また、昨年度までの取り組み状況を実績及び進捗率という形でお示しください。
次に、四国4県の共同の地域政策研究機関についてお伺いします。
公益財団法人えひめ地域政策研究センターの発刊する調査研究情報誌「ECPR」の財団設立40周年記念号は、いわゆる地方創生について、しっかりと研究されている専門家の提言がまとめられています。
その中で、これからの地域課題に対する政策提言では、中国地方5県共同の研究センターとして、島根県中山間地域研究センターが紹介されています。このセンターは、島根県だけではなく、中山間地域の活性化という面で、広域的に研究活動を発信されています。全国どこにでも中山間地域はあるわけですから、抱える問題は共通しています。とすれば、当然に、課題解決の方法も他の地域事例に倣うことが可能であると考えます。
5県共同の研究機関の取り組みが中国地方の中山間地域全体で共有され、移住や定住、空き家対策が先進的に進み、成果も上がっているのではないかと思うのですが、四国地方の地理条件も中国地方とほぼ同じと考えますと、4県共同で四国のこれからについて研究し政策提言をしていくような機関をつくる必要があるのではないでしょうか。
愛媛県には中山間地域もあれば、島嶼部、松山市のような中核市もあるなど、四国の地理特性の全てがあるわけですから、4県共同の研究・政策提言機関を、愛媛県がリーダーシップをとって設置する必要があると考えますが、いかがでしょうか。
島根県中山間地域研究センターの藤山浩さんは、地域に1%の人口と所得を取り戻すこと、それによって地域の自立した活動を促し、マス・ローカリズムの手法と情報の横展開を訴えておられます。
愛媛県では、県と市町が総合力を発揮し、新たな課題に即応する新規施策を創出、実行することで、チーム愛媛のさらなる拡大、深化を目指しているところです。
近い将来において、積極的に市町と連携し、地域課題についての情報の横展開を進めるべきと考えますが、いかがでしょうか、お聞かせください。
新聞で、人材こそ地方創生の原動力という文字を目にしました。本当にそのとおりだと思います。愛媛県版まち・ひと・しごと創生総合戦略にも、学校、教育、子育てという人材についての項目が多いことに気づきました。
このことから、愛媛県内に意欲のある優秀な人材を育む環境の整備を強化すべきと考えますが、地方創生に寄与する愛媛県の高等教育行政についてどのようにお考えか、お聞かせください。
観光庁のデータによりますと、平成28年の1年間に愛媛県を訪れた外国人宿泊旅行者は14万6,390人で、平成29年に日本を訪れた外国人旅行者は、5カ月が経過した5月13日時点で、既に1,000万人を超えたそうです。
観光庁は、平成32年には訪日外国人旅行者4,000万人を目指していますが、愛媛県は将来到達目標として、平成32年の外国人宿泊客を29万7,000人としています。この数字を単純に比べますと、愛媛県の目標数値は、日本全体の1%以下となります。県は平成28年12月、前向きに目標値を見直しましたが、国の目標値を踏まえ、再度見直すつもりはないか、お聞かせください。
冒頭に申し上げましたが、日本への外国人旅行者の急速な増加の背景には、航空路線の拡充や大型クルーズ船の寄港によりアジアからの訪日客が増加したことがあると思われます。バスからおりた団体旅行者が、高額商品を大量に買う爆買いという言葉も一時はやりましたが、今ではそれも落ちつき、花見や登山などの体験型ツアーや個人旅行者がふえているようです。
愛媛県におきましては、松山-上海便が週2便あり、中国からの観光客は見込めそうですが、韓国、台湾、香港、マレーシア、シンガポール、ベトナム、タイ、インドネシアなどのアジア圏、さらにはアメリカやヨーロッパなどからの外国人観光客は、広島県や香川県経由で愛媛県に足を運んでいる現状です。
報道によりますと、平成28年のクルーズ船の四国寄港は計56回で、そのうち外国船の寄港が36回です。56回の内訳は、高知港で23回、宇和島港9回、高松港8回、徳島小松島港8回、松山港は1回などとなっており、近隣の神戸港104回、広島港47回、別府港19回に比べ、大きく引き離されている状況で、先日、国土交通省四国地方整備局によって、クルーズ船の寄港回数が少ない高松港と坂出港、松山港について誘致策を考える検討会が開催された次第です。観光客の増加による交流人口がもたらす観光消費が、地域に新たな需要を生み出すことは御案内のとおりです。
そこで、お伺いしますが、昨年、宇和島港の9回に対し、松山港には外国船が1回しか寄港していません。松山港の整備や受け入れ態勢は、現在どのような状況にあるのでしょうか。
県庁所在地である松山港への寄港による経済波及効果は大きいと思いますが、クルーズ船の寄港には、松山港の三津浜港内港地区や高浜港高浜地区といった既存の施設を有効に活用しつつ、旅客船ターミナルの整備やクルーズ客の円滑な周遊を後押しする環境整備、さらには県のみならず、観光協会のサポートなど受け入れ態勢の充実、強化が不可欠です。クルーズ船の誘致のためには、港や駐車場といったハード面の整備が必要となりますが、今後、どのように進めていかれるのかお尋ねします。
また、通訳や地域のアピールを行う人材育成といったソフト面の対策も必要と考えますが、これらについて、県の御所見をお聞かせください。
クルーズ船の寄港回数を増加させている隣の高知港におきましては、県が海外でPRするなど積極的な取り組みをされており、ほぼ毎月巨大クルーズ船が入港していると仄聞しています。香川県もクルーズ船の運航会社に地域のイベント情報を発信するなど、営業努力をされているようですが、愛媛県では、クルーズ船寄港の積極的な受け入れについて、どのような誘致活動を今までされてきたのか。また、これからどのように取り組むのか、前向きな対応策についてお聞かせください。
ちなみに、クルーズ船の寄港地における経済効果は、1人当たり3万円から4万円と試算されています。一度に多くの観光客が訪れ、飲食やショッピングによる経済効果のみならず、全世界に地域の魅力を発信するきっかけとなり、外国人観光客との交流が進展するなど、地方創生に大きく寄与するものと思います。
つい先日、大型石炭船が松山港外港地区に初入港いたしました。愛媛県の国際、国内の海上物流・交流の拠点である松山港外港地区国際物流ターミナルは、水深13mの岸壁とガントリークレーンを新たに整備することで、大型船舶の入港や2隻同時着岸が可能となることで、物流による経済効果が増長し、地域経済の成長力向上に寄与するものと期待をしています。
今回の整備によって、例えば、豪州から新居浜港に到着した貨物が、トラックによって松山港まで輸送されていた手間は省かれます。ネット通販等の拡大からドライバー不足に悩んでいた運輸業界への過度の負担が減り、その負荷は他産業に分散されます。
鉄道貨物が見直されてきた今、港に着いたコンテナをトラックのみだけで運ぶのではなく、将来的には、松山港外港地区までJR路線を引き込むことで、貨物鉄道を利用して四国全域に流通させるシステムを整備することが、長い目で見ると必要ではないでしょうか。これらの発想により、愛媛県は四国の貨物運搬の玄関口ともなり得ると思いますが、御所見をお聞かせください。
また、先日、兵庫県尼崎市のコンテナに続き、神戸市のポートアイランドのコンテナヤードでも、強い毒を持つ外来種のアリ、ヒアリが見つかったとの報道がありました。松山港外港地区国際物流ターミナルを初め、県内には海外からコンテナが入ってくる港がありますが、愛媛県におけるヒアリほか外来生物への対策はどのようになっているのか、お聞かせをください。
既に、デモンストレーションスポーツ競技は、県内各地で開催されていますが、いよいよ9月30日に天皇、皇后をお迎えし、えひめ国体が開会いたします。国体に向けて愛媛県が一丸となり、ハード・ソフト面ともに環境を整えてきたわけですが、一つ気になることがございます。それは松山市の繁華街での客引きが後を絶たないことです。
愛媛県におきましては、国体を見据え、既に平成26年には、路上での客引き行為の禁止対象を大幅に広げ、厳罰化し、新たに路上でのキャバクラ、ホストクラブへの客引きやスカウトなどを禁止する愛媛県迷惑防止条例を改正したのは御案内のとおりです。さらに、平成27年2月1日から、名称も新たに愛媛県迷惑行為防止条例として、不当な客引き行為等が禁止されています。にもかかわらず、松山市の週末の繁華街の交差点などでは、他人の進路に立ち塞がるなど通行を妨げて飲食店への客引きをする人たちが多く、1人で歩くのが怖いといった声や、何度も声をかけられ、うっとうしいといった訴え、また、たばこの吸い殻やガムを捨てるといった行為などに対する苦情を耳にします。
こういった行為に、地元の人はある程度なれておりますが、他県の方は驚き、迷惑をしている状況です。国体を控え、来県者が増加するに当たり、多くの県民がお接待の心でおもてなしをする中、繁華街がこのような状況では、まちのイメージ、さらには愛媛県全体の評価が悪くなることは否めません。愛顔つなぐえひめ国体の成功を祈る一県民として、何とか措置を講じていただきたいと願うものです。
大阪では、指定区域でのあらゆる客引き行為を禁じ、悪質な違反者には過料を科すという厳しい条例により、客引きがいなくなったと仄聞しています。そこまでとは申しませんが、せめて国体終了までの期間は、ある程度厳しく取り締まっていただきたいと思うのです。
県警は、松山市の繁華街での客引き等の現状をどう認識され、今後、どのように対処されるおつもりか、お聞かせください。
次に、発達障がいへの支援についてお伺いします。
2歳の男の子A君は、1歳半健診で言葉のおくれを指摘されました。また、4歳の双子の女の子は、いずれも集団行動ができず、いつもおうちの中で2人で遊んでいます。3年生になったばかりのB君は、勉強についていけず、担任の先生に特別支援学級への編入を勧められました。特別支援学校高等部3年のC君は、それまで自己肯定感が持てず、みずからの主張をすることも余りありませんでしたが、就労支援の事業所を体験利用し、支援員の先生の後押しによってこれまでより明るく積極的になったそうです。また、どこか落ちつきのない50歳の男性Dさんは、職場の産業医の助言で精神科を受診し、生まれて初めてアスペルガー症候群と診断され驚きました。
皆さんもこうした話を近年よく耳にされ始めたのではないでしょうか。そもそも精神障がい自体が、身体障がいや知的障がいと同等に取り扱われ始めた歴史はいまだ浅い中、精神障がいの中でもとりわけ発達障がいに関し、近年になってやっと正しい理解と支援の方向性が徐々にではありますが示され始めたのです。このことは、本人はもとより、御家族の皆様にとってよりよい生活環境が生み出される前兆であり、今後さらに共生社会が深まりを見せることを願ってやみません。
そこで、まず1点、発達障がいの定義と発現規模についてお伺いします。
平成17年4月に施行された発達障害者支援法は、11年後の平成28年6月に初めて改正されました。次に、発達障害者支援法の改正ポイントについてお伺いいたします。
発達障がいについては、発見時期の早さとその後の支援のあり方が大切だと聞きますが、発達障がい児の早期発見と個別の発達支援の具体策についてお聞かせください。
発達障がいの問題点として、親御さんの受容ぐあいがよく取り沙汰されますが、発達障がい児の家族等への支援についてお伺いします。
発達障がいが認められた児童に対しては、支援者による長期の支援計画が必須であると思いますが、発達障がい児への段階的支援のあり方について御教示ください。
発達障がい者支援における県の重要な役割の一つとして就労支援があります。その後の地域支援及び権利擁護、司法手続での配慮などとあわせ、発達障がい者への将来的支援についてもお聞かせください。
最後に、発達障がい者支援センターについてお伺いします。
発達障害者支援法の施行からわずか12年の今日、発達障がいという精神障がいへの理解がまだまだ進んでいない状況下、当事者家族がとにかく誰かに相談したいと思う気持ちはおもんぱかって余りあるものがあります。こうしたとき、当事者家族のさまざまな痛みを受けとめ、あらゆるつらさを共有し、確かなアドバイスをくれる支援センターは、何物にもかえがたい存在ではないかと思います。
そこで、本県の発達障がい者支援センターの取り組み状況についてお聞かせください。
以上で私の質問を終わります。
ありがとうございました。
■答弁者 中村時広知事
菊池議員に、私の方から発達障がい者支援センターについての御質問にお答えをさせていただきます。
県発達障がい者支援センターは、発達障がい者や家族等からの年間約4,000件の相談に対応し、支援方法の助言や就労関連情報の提供、関係機関の紹介等の支援活動を行うほか、支援関係者に対する専門的な研修を実施するなど、県内の発達障がい者に関する総合的支援拠点としての役割を果たしているところであります。
県では、発達障がいに関する支援のニーズの高まりを踏まえ、今年度から新たに当事者団体や医療、福祉、教育関係機関等で構成する発達障がい者支援協議会を設置するとともに、東・中・南予圏域に地域支援マネージャーを配置し連携強化を図っているところであり、今後とも県発達障がい者支援センターを核とする支援体制の充実に努め、県内のどの地域であっても、発達障がい者や家族等がきめ細かな支援を切れ目なく受けられるような環境整備に取り組むこととしております。
その他の問題につきましては、関係理事者の方からお答えをさせていただきます。
■答弁者 門田泰広総務部長
県版まち・ひと・しごと創生総合戦略に関する御質問のうち、市町との連携のもとに、地域課題についての情報の横展開を進めてはどうかというお尋ねにお答えをさせていただきます。
県におきましては、県・市町連携推進本部を中心に、市町と連携して、人口問題や防災・減災対策などさまざまな地域課題に取り組んできたところであり、これまで151の連携施策を創出、実行し、具体の成果もあらわれてきております。
さらに、各市町が共通して直面する行政改革や地域課題に対して先進的な取り組み事例を互いに共有し、みずからの施策に活用するため、行革甲子園や先進事例研究会を実施してきたところでございまして、今後ともこれらの取り組みを通じて、地域課題の解決に向けた市町のさまざまな施策の横展開を進め、チーム愛媛のさらなる拡大、深化を図ることとしております。
以上でございます。
■答弁者 西本牧史企画振興部長
まず、県長期計画に関する御質問のうち、県民ニーズ調査についてお答えをいたします。
県長期計画の推進に当たっては、県政モニターに対する県民ニーズ調査に加えまして、愛媛の未来づくりプラン推進懇話会において、外部有識者からも幅広く意見をいただいております。また、県民世論調査や知事への提言メール、知事とみんなの愛顔でトークなどを通じまして、直接県民の皆さんからも御意見をいただいておりまして、県民ニーズの把握は十分にできていると認識をしております。
なお、県政モニターの人数につきましては、平成27年度に県内大学生等の学生モニター枠を新設するなど増員に努めておりまして、今年度は218名を対象にニーズ調査を実施したところでございます。
続きまして、県版まち・ひと・しごと創生総合戦略に関する御質問のうち、まず重要業績評価指標についてお答えをいたします。
県版総合戦略に設定している重要業績評価指標KPIの達成状況の一覧表は、県ホームページにおきまして、まち・ひと・しごと創生の中の人口問題総合戦略専門委員会のページで既に公開をしております。
また、昨年度までの取り組み状況については、7月下旬ごろに取りまとめる予定ですが、27年度までの実績及び進捗状況は、目標値を達成したものが21指標、現状値から上昇または横ばいが55指標、下降したものが7指標となっております。
次に、四国4県共同の研究・提言機関の設置についてお答えをいたします。
四国4県の共通課題については、これまでも「四国はひとつ」4県連携施策を活用しまして、危機発生時の広域応援のあり方や地球温暖化防止活動などの研究を実施するとともに、文化や観光、産業振興など幅広い分野で4県一体となった施策を展開しているところでございます。
また、今年度は、四国4県と四国経済連合会では、地元銀行系のシンクタンクに委託しまして、新幹線導入の波及効果等について調査を行うなど、必要に応じて4県が連携して取り組みを進めていることから、現時点で共同の研究・政策提言機関を設置することは考えておりません。
最後に、高等教育行政に関する所見についてお答えをいたします。
地方創生の推進に当たっては、地域産業の発展に貢献するすぐれた人材の育成や産学官連携による研究開発が重要でありまして、これらの機能をあわせ持つ大学などの高等教育機関の果たす役割は大きいことから、県版総合戦略においても地元大学を重要なパートナーと位置づけまして、さまざまな施策を積極的に展開しているところでございます。
以上でございます。
■答弁者 大森尚子県民環境部長
クルーズ船の寄港に関する御質問のうち、ヒアリほか外来生物への対策についてお答えをさせていただきます。
人体や生態系等への被害が懸念される特定外来生物については、侵入や拡散を防止する必要があるため、速やかに特定外来生物であることを確定できるよう、国や専門家等と連携した初動体制を整備するとともに、確定した際には市町と協力して、迅速な捕獲、防除等を行っているところでございます。
ヒアリについては、国からの緊急要請に基づき、港湾の調査を行っているところであり、個体が発見された場合には、国及び関係機関と連携して防除等の対応を行うこととしております。
以上でございます。
■答弁者 山口真司保健福祉部長
発達障がい者への支援についての御質問のうち、まず発達障がいの定義と発現規模についてお答えをいたします。
発達障がいとは、発達障害者支援法によりまして「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの」と定義をされております。
発現規模につきましては、厚生労働省によると、おおむね広汎性発達障害は1から2%、学習障害は2から10%存在し、就学前後までに発現する注意欠陥多動性障害については、学童期の子供に3から7%存在すると言われているところでございます。
次に、発達障害者支援法の改正ポイントについてでございますが、改正発達障害者支援法では、ライフステージを通じた切れ目のない支援、家族なども含めたきめ細かな支援、地域の身近な場所で受けられる支援、この3つが主な改正ポイントと位置づけられておりまして、発達障がい者一人一人の日常生活や社会生活の支援に取り組むこととされているところでございます。
次に、発達障がい児の早期発見と個別の発達支援についてでございます。
県では、かかりつけ医等を対象といたしまして、発達障がい対応力向上研修等を実施いたしますとともに、市町では乳幼児健診等において、発達障がい児の早期発見に努めております。
また、個別の発達支援につきましては、市町事業として、専門的な職員を配置した障がい児通所サービス提供事業者によりまして、児童発達支援や保育所等訪問支援など、発達障がい児の個々の障がいの特性に応じた療育や支援が行われているところでございます。
次に、発達障がい児の家族等への支援についてでございます。
県発達障がい者支援センターでは、家族等への支援を図るため、平成25年度に「発達障害者支援ハンドブック」を作成いたしまして、発達障がいへの対応や支援機関等の情報提供を行いますとともに、同センターや市町の相談窓口におきましては、発達障がい児の御家族の不安な心情を酌み取りながら、さまざまな相談に対してきめ細かな対応に努めているところでございます。
次に、発達障がい児への段階的支援についてでございます。
発達障がい児に対しては、就学前、学齢期など各ステージに応じた支援が必要となりますことから、各市町では保健センター等による相談支援、就学前の児童発達支援、学齢期における放課後等デイサービスなど、各段階に応じた支援を行っているところでありまして、県では、東・中・南予に地域支援マネージャーを配置いたしまして、長期的な支援に向けた関係機関の連携強化に取り組んでいるところでございます。
次に、地域支援、権利擁護など、発達障がい者への将来的支援についてでございます。
県では、障がい者就業・生活支援センターを県内6カ所に設置をいたしまして、就業と生活の一体的な相談支援を行っておりますほか、県障がい者権利擁護センター等における虐待、差別に関する相談支援や、市町による成年後見制度の利用促進等を図りまして、発達障がい者の将来にわたる支援に取り組んでいるところでございます。
以上でございます。
■答弁者 菅豊正経済労働部長
まず、県長期計画についての御質問のうち、若年者地域雇用マッチング事業の実績等についてお答えいたします。
この事業では、平成26年度からの3年間で94名が研修に参加し、うち10名が研修派遣先の食品製造業等に就職をいたしました。この実績を検証いたしまして、今回の補正予算案にものづくり企業が実施する新規雇用者への人材育成研修を支援する事業を計上いたしましたが、このほかにも県では、ジョブカフェ愛workを核に、幅広い分野で若年人材の確保、育成に努めており、情報サービス業や宿泊、飲食サービス業における職業訓練にも取り組んでいるところでございます。
次に、若者の県内就職率向上のための取り組みについてお答えをいたします。
県では、県内企業の魅力発信を初め、職場見学や交流会等による若者と企業とのマッチングに努めますとともに、中高生向けスゴ技企業の紹介冊子の作成、配布や、中学生による職場体験学習の拡充などにより、地域企業の周知や地域理解の促進を図りますほか、本県出身学生に対しましては、合同会社説明会等の開催に加え、今年度から新たにインターンシップ受け入れ体制を整備し地元就職を支援するなど、これまでも若者の県内就職の促進に努力しているところでございます。
次に、クルーズ船の御質問のうち、外国人宿泊者の目標値の見直しについてお答えをいたします。
県では、国の明日の日本を支える観光ビジョンにおいて、2020年の地方における延べ宿泊者数の目標が約3倍に設定されましたことから、昨年12月、第2期県観光振興基本計画における外国人宿泊者数の2020年到達目標を、国と歩調を合わせて、2015年の約3倍となる29万7,000人泊に上方修正したものでございまして、現時点で目標値を再度見直す考えはございません。
次に、人材育成などソフト面の対策についてお答えいたします。
県では、県観光物産協会等の関係機関と連携し、宿泊施設などの観光関係者を対象とした英語・中国語・韓国語の接遇研修や、外国語ボランティア通訳ガイドのスキルアップ研修などを通じまして人材育成に努めており、今後も愛媛版DMOとも連携しながら、外国人観光客に対するおもてなし度を高め、クルーズ客を含め、本県を訪れる外国人観光客の受け入れ態勢の充実に取り組むことといたしております。
次に、クルーズ船の誘致活動についてお答えいたします。
県では、全国クルーズ活性化会議のホームページ等を活用いたしまして、県内の港湾情報を発信いたしますとともに、海外のクルーズ船社との商談会に参加するほか、地元市などと連携をいたしまして、寄港時の歓迎、おもてなしイベントの実施等に取り組んでおります。
また、県観光振興基本計画にクルーズをインバウンドに生かす取り組みの検討を盛り込んでおりまして、本年5月から国主宰の検討会に参画をしておりますほか、先週も県内関係市町との勉強会を開催するなど、市町や地元観光事業者等の意見も聞きながら、誘致活動のあり方や寄港促進に向けた方策を検討しているところでございます。
次に、松山港外港地区までJR路線を引き込み、四国全体の流通システムを整備してはとの御質問にお答えをいたします。
コンテナ港湾とJRの直結による輸送方式は、首都圏の港湾で検討が進められておりますが、鉄道整備に係る費用負担やコンテナ規格への対応、荷主需要の創出など、課題も多いと聞いております。一方、松山港のコンテナ貨物の大部分は、松山港周辺立地企業の原材料及び製品でございまして、トラック輸送により円滑に物流されており、当面は支障がないと見込まれますため、現時点ではJR路線の必要性は低いと考えております。
以上でございます。
■答弁者 樋口志朗土木部長
クルーズ船の寄港に関する御質問のうち、まず、松山港の整備や受け入れ態勢についてお答えいたします。
松山港は、数多くの定期旅客船や貨物船等に利用されており、岸壁やその背後地では、人や車の乗降や貨物の積みおろし等の作業が恒常的に行われておりますことから、クルーズ船を受け入れるためには、既存の港湾利用者との調整が必要であります。松山港におきまして、現在、このような調整が可能で十分な水深や延長を有する施設は外港地区第1埠頭であり、出入国管理等のための保安設備も有しておりますことから、松山港では、過去5年間で13回クルーズ船の寄港実績がございます。
次に、港や駐車場といったハード整備についてお答えをいたします。
松山港外港地区第1埠頭は、背後に大型観光バスの駐車場等として使用できる十分な用地を備えておりまして、これまで松山港に寄港しましたクルーズ船は、全てこの施設を利用しております。現在のところ、クルーズ船の寄港はこの施設で対応できておりますが、今後、船会社等から具体的な整備の要望があった場合には、改めて対応を検討することとしております。
以上でございます。
■答弁者 林学警察本部長
松山市の繁華街の対策等についての御質問にお答えいたします。
県警としては、松山市の繁華街における悪質な客引き等の違法行為は、県民や来県者の安全・安心を損なうものと認識をしており、昨年中10件14人を検挙しているところであります。これらに対しては、引き続き必要な指導取り締まりを行うとともに、地元商店街等と連携した官民協働による各種対策を推進することとしております。
以上でございます。